晴明神社のコンセプト
コンセプト
晴明神社は、平安時代の陰陽師・安倍晴明を祭神とする神社です。
そのコンセプトは、陰陽師という職業から察するように「魔除け」「厄除け」を主軸にした神社になっています。境内に晴明桔梗と呼ばれる五芒星が鳥居や井戸などに描かれてされており、ご神木の楠や厄除桃が配置されています。鳥居に神紋がおこされるのは、全国でも珍しいので注目すべき点といえます。また、陰陽師としての側面を示すものとして境内に式神や四神(玄武・朱雀・白虎・青龍)があります。
この晴明神社の神紋(神社固有の紋)は五芒星です。これは、安倍晴明が桔梗を元にデザインし「晴明桔梗」と呼ばれる紋をつくり上げます。この「晴明桔梗」は陰陽道における五行思想といつながっているものとなっています。相生・相克の両者を示す綺麗なデザインといえましょう。また、ご神木の楠は虫除けの原料、厄除桃は陰陽道において魔除け・厄除けの果物といわれ、敷地内至るところに除けるものが巡っているので参拝すればその恩恵を受けることは想像に難くないです。
そして、晴明桔梗のモチーフである桔梗が咲いており毎年6月中旬から初秋にかけて花が咲き誇るので見応えがあります。それに伴い授与所では期間限定で桔梗の花言葉をモチーフにした「桔梗守」、桔梗をあしらった魔除けの鈴「ききょう土鈴」などが売っており神社として桔梗を推しているのがよくわかります。
成り立ち
晴明神社がこの場所に創建されたのは、安倍晴明の住んでいた屋敷があった場所であることらです。安倍晴明は、天文博士として朝廷に使え天文をもとに吉凶を天皇に奏聞する立場であったことから、権力者の近くにいた重要な存在です。占いだけでなく陰陽道の儀式などで花山天皇や一条天皇、藤原道長の信頼を得たことで安倍晴明の死後に屋敷跡に晴明神社を建てることになります。古代日本だと故人に関した神社などは悪霊化しないようにするのが目的なものが多々ありますが、晴明神社の場合は偉業を讃えるものとしての目的が強いようです。
晴明神社の軌跡
歴史上では有名な存在であった安倍晴明が世間一般に知られるようになったのは夢枕獏著『陰陽師』が映画化したことが大きな要因の1つでしょう。それまでも漫画やアニメ、ゲームなどでは登場していた人物ですがあくまでオタクやマニアのコンテンツとしてマイナーな存在でした。それを実写映画化しことで一般人にも知られる存在として確立したといえます。安倍晴明の存在が有名になるにつれ祭られている晴明神社の知名度もあがることとなるのです。このようにコンテンツと結びつくことを利用した神社として東京の千代田区神田明神が挙げられますので、今のようにインターネットが発達してくると神社としての立ち位置もまた様々に変容してくるのです
おまけ
境内に斎稲荷社が設置されているのも安倍晴明が『葛の葉』と呼ばれる狐から生まれたことに起因しています。それは狐が稲荷神と混同されがちですが、あくまで狐は稲荷神の神使であり神の意志を伝えるものとして時に神と同義として捉えられるからです。この稲荷神は宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)と同一視されることから、五穀豊穣など農業の神であったが現在で商業含めた産業全体を網羅することになっています
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